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村長ひとこと

村長ひとこと

2017年5月17日

 

「戦争を知らない」(24)H29.5

 今年のゴールデンウィークは週末につながり、帰省や行楽にと多くの皆さんが楽しい休日を過ごしたのではないでしょか。木島平村へも多くの皆さんにお越しいただきました。テレビでは連日家族連れなどで賑わう行楽地が映し出され、その光景は平和で楽しみに満ちていました。
 しかし一方で、北朝鮮と周辺国や米国との間で、これまで以上に緊張が高まっている、日本でもミサイルの配備を検討し始めた、というようなニュースも連休中に報道されました。平和な光景と戦争の危機が交互に流れるニュース番組に違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか。
 私が中学生のころ「戦争を知らない子供たち」という歌が流行りました。その頃はベトナム戦争の真っただ中であり、主に反戦歌として歌われました。しかし、この歌にはもう一つ別の意味があったそうです。当時は戦争を直に体験した世代が社会の中心でした。そのため何かと平和を口にする若者に対して「戦争を知らないくせに、何を言ってるんだ」という声が多くあったようです。この歌は、そんな大人への反発だったとも言われます。
 戦争が終わって70年以上過ぎ、戦争を直に体験した人、悲惨さを記憶している人は少なくなりました。「本当の戦争の怖さ、悲惨さを知らないくせに」と言ってくれる人が減っていく中、これからもずっと戦争を知らない子供たちの国であり続けることは、戦争を知らない大人の責任です。

 

 

「4月」(23)H29.4

 雪国の春は4月です。雪解けと同時に福寿草が咲き、花が桜から菜の花へと移り変わるとともに農家は慌ただしさが増します。春を待ちかねた農家は、まだ山に白さが残っているうちに、田畑へと出て農作業が始まります。
 西日本や太平洋側など、日本では夏に降水量が多く、冬に降水量が少ない地域がほとんどです。しかし、雪国では、冬と夏に降水量のピークが2回あります。そして4月は一年で最も降水量が少ない季節です。雨が少なく活動しやすいので、農作業の準備も安心してできます。降水量は少なくても、山々から流れてくる豊富な雪解け水を利用して田植えの準備が進み、5月には田植えが大方終わります。そして、6月から降水量は増えてきます。2000回以上繰り返したこの営みは、すでに遺伝子となり、雪消えとともに農地に出ていくのです。
 何もない大地に種をまく4月、4月が心地よいのは、春風のせいだけではなく、花木が芽吹き、動物、鳥までが一斉に動きだし、また何か新しいことが始まる、そんな予感をさせてくれるからだと思います。
 子どもたちにとって、まさに新しいことが始まる新学期です。真新しい制服や大きなカバンを背負った子どもたちとすれ違うだけでもうれしい気持ちになります。世界では、4月が新学期、就職というのは少数派、むしろ珍しいようです。しかし、やっぱり日本の新学期に一番ふさわしいのは4月です。

 

 

「私たちの星」(22)H29.3

  「真砂なす 数無き星の その中に 吾に向かいて 光る星あり」正岡子規の歌です。たくさんの星の中で一つぐらい、自分を照らしている。照らしていて欲しい。そんな気持ちでしょうが、肉眼で見ることができる星の数は、新月でも数千、とても一人に一つはと思います。
 しかし、星は地球上の砂の数より何兆倍も多いそうです。そこで確率的に地球外生命が存在するのは当然と考える科学者も多いのです。先月、地球から僅か(?)39光年の距離にある恒星の惑星に、大気や海があるかもしれないと報道されました。「もしかしたら、そこに地球外生命がいるかも」「地球がダメになったら引っ越せばいいんじゃないか」しかし、宇宙は広大です。近いといっても、最速の新幹線で1億3千年以上かかるそうです。気軽に行き来できる訳ではありません。やはり私たちの星は地球です。
 アメリカの新大統領は「地球温暖化なんてまやかしだ」と言っているそうです。本当にそう思っているのか、石油、石炭産業などの目先の利益のため、敢えて言っているのか分かりません。
 人類の発生は約700万年遡るそうですが、直接の祖先となる現生人類は約20万年前に出現したといわれます。宇宙の歴史や広大さに比べ、わずかですが、少なくとも人類の歴史はこの先数十万年以上続くはずです。いつの日か、人類破滅のカウントダウンが私たちの時代に始まったと言われたくないものです。

 

 

「雪国」(21)H29.2

 今年も暖冬で雪が少ないかと思いきや、一転大雪が続き、スキー場では恵みの雪となりました。しかし、生活面では大変な思いをされた方も多いと思います。また、今年は降る範囲が広く、西日本など例年雪が少ない地域での降雪が多いようです。
 降って当たり前の雪国から見れば数センチの雪でも大雪警報になるのは奇異に感じますが、それは、それなりの備えと心構えがあるからです。逆に、西日本の台風や降水量は我々には信じがたいものです。それに相応しい備えはどんなものか、あの暴風雨が来たらと恐ろしくなります。
 長野県は山に囲まれているせいか比較的大風が少なく、降水量は都道府県別(県庁所在地)では例年下から1、2番です。冬に雪が降る北信州の降水量はもっと多くなりますが、九州などに比べれば半分ほどです。にもかかわらず一年を通して豊かな水の恵みを受けているのは雪のおかげです。時間をかけ野山に浸透した雪解け水が川となり田畑を潤します。現に、雪が少なかった昨年は水不足でした。昔の人は、「大雪は豊作の兆し」と喜んだそうです。暖房や防寒具の無い時代の人たちの冬の暮らしはもっと大変だったはずにもかかわらず。
 今年も周辺では雪による痛ましい事故がありました。交通が混乱した所も各地にありました。雪国に雪は不可欠ですが、雪から地域住民の安心・安全は守らなければなりません。必要な分だけ適度に降ってほしいものです。

 

 

「木島平米」(20)H28.12

 今年も「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」で木島平米は大きな成果を収めました。全国の米自慢が食味を競い、今年は過去最高5671点の応募です。過去8回、木島平米は連続して金賞、特別優秀賞を獲得しています。そして今年は、最高賞の国際総合部門2点と小学校部門の3点が金賞、その他部門で2点が特別優秀賞を獲得し、全国の米産地から称賛されました。国際総合部門の金賞は実に300倍以上の難関です。
 実はもう一つ木島平村には誇れる米があります。それは「金紋錦」です。酒造好適米として長野県の推奨品種でありながら、作り方が難しく木島平村だけが細々と守り続けてきた伝統野菜ならぬ、言わば伝統米です。今、その金紋錦が注目を浴び、使いたいという酒蔵が増えています。
 主食用と酒米、味も用途も管理も違いますが、木島平村の農家はそれを見事に両立し、品質を高めてきました。木島平米は、清らかな水と空気、米作りに適した土壌と気候、それにも増して米作りに取り組む農家の熱意、その賜物です。0
 平成29年産で米の生産調整は終わります。米産地として生き残ることは、地方経済の振興のみならず、農村環境、景観の維持にもつながる地方創生の大きな柱です。国の米政策が不透明な中、自治体の力量も試されます。木島平米のブランド力が本当に試されるのはこれからなのです。

 

 

「夢と人間」(19)H28.11

 獏(バク)という生き物をご存知だと思います。中国から伝わった、夢を食べるという何か恐ろしげな伝説上の生き物です。
 最近、夢について話を聞くことが多くありました。下高井農林高校では、タレントの松山三四六さんが講演で、「小学校・中学校と柔道の全国大会で優勝し、オリンピックを目指したが、怪我で断念した。子どもの頃の夢を叶えられるのは稀で、挫折する人のほうが多い。しかし、実現に向け努力することが大事だ、また新たな夢に向かえばいい。」ということでした。しばらくして拉致被害者として24年間、北朝鮮で生き抜いた蓮池薫さんの話を聞く機会がありました。一番悔しかったのは、夢を奪われたこと「日本では叶うかどうかは別として、夢を持つことができる。北朝鮮では、今日はこれ、明日は何と指示されることをするだけ、夢を持つことができなかった。それが悔しかった。拉致被害者共通の思いだ。」とのことです。また、あるテレビ番組でレポーターが100歳を超えたお年寄りに尋ねました。「夢は何ですか。」「それは、明日も生きていて、目を覚ますことです。」人は他の生き物と違い、夢がないと生きていけないのです。
 連日のように差別やいじめで命を絶つ若者のニュースが報じられますが、実は、獏は悪夢だけを食べてくれる有り難い生き物とのこと。怖いのは、夢を奪い、食べてしまう人間なのではないでしょうか。

 

 

 白鳳仏とそば(18)H28.10

 調布市の深大寺は天平5年(733年)の開山と伝えられ、東京都では浅草の浅草寺に次ぐ古刹(こさつ)です。その深大寺の釈迦如来像は飛鳥時代の金銅仏であり、国の重要文化財に指定されています。飛鳥時代白鳳期の作であり、白鳳仏とも言われ、東京都では最も古い仏像とのことです。飛鳥時代は遡ること約1300年、聖徳太子や大宝律令の時代です。(古刹:古い寺)
 そのお釈迦様が日本・イタリア国交150周年記念の日本仏像展に招かれ、約2か月間ローマ市内の美術館で親善大使の任につかれたそうです。私が深大寺を訪れたのは10月最初の日曜日、その2日前に無事大役を果たされ深大寺に戻られました。そこで、ご住職曰く「毎日スパゲティばかりで、さぞ日本食が恋しかろうと、さっそくお蕎麦をお供えしました」とのこと。
 深大寺は江戸時代から蕎麦の名所、門前には20を越す蕎麦屋さんが軒を連ねて連日賑わっています。かつては周辺でそば栽培を行ったそうですが、宅地化などのため現在では僅かしか生産されていません。
 そこで、深大寺蕎麦の材料として木島平産のそば粉を使って頂こうと、蕎麦屋さんを招き、そば畑を見て、名水火口そばを食してもらうなどの取り組みを進めています。11月には深大寺で木島平産そば収穫祭を行います。そばを通して交流が更に広がればと期待しています。

 

 

「紅葉の国」(17)H28.9

 日本の秋と言えば紅葉狩りです。世界中どこでも楽しんでいるかと思うと、そうではないようです。それは日本ほど美しい紅葉が他の国には、ほとんどないためです。日本の紅葉が美しいのは、紅や黄、緑のコントラストが素晴らしいからですが、紅葉する植物の種類が26種ほどで、他の国より多いためということです。特に紅色になるカエデやニシキギなどは外国にあまり無いようです。そもそも紅葉のない国が多く、あっても黄色単色で枯葉を連想し美しいとは感じないそうです。
 もちろん紅葉は、人を楽しませるための現象ではありません。落葉広葉樹は、夏の間に蓄えた養分を幹や根に送って春に備え、余分な水分やエネルギーを消費しないために落葉します。
 四季の彩が美意識を育んだ日本では、美しい自然を身近に置きたいという特有の気持ちがあり、盆栽や生け花など固有の文化が生まれました。自然の紅葉だけでなく、人工物にも巧みに取り入れてきました。神社・仏閣、庭園などでは落ち葉さえも美の要素とし、日本的な美しさを一層引き立てています。訪れた外国人は、紅葉に対するイメージが一変するそうです。
 カヤの平の紅葉は例年里より一月ほど早く始まります。今年も下旬には始まるものと思います。奥山から里山へ、そして里へと長く紅葉を楽しめるのは、世界的には稀で幸せなことなのです。

 

 

「様々な世界」(16)H28.8

  ポケモンGOが世間を騒がせています。究極の「ながらスマホ」とも言われ、操作中の事故や犯罪が多発しています。我々世代にはよく理解できない現象で、危ないなら規制すればと思いますが、閉じこもっていた若者が戸外に出るようになった、観光地がにぎわうなど効果もあるようです。規制には賛否両論と言ったところですが、ポケモン目的に集まっても有り難くない、逆に迷惑という場所や施設もあり、個別の規制は始まっています。
 ゲームの中の仮想世界では可能性が無限に広がり、現実世界では不可能なことが実現できます。しかし、そこは生身の人間が住める社会ではありません。現実世界のストレスを仮想世界で癒し、また現実世界に戻る。上手に付き合えば有意義なアイテムです。今、ポケモンGOがなぜこれほど人気なのか。それはゲームで仮想世界と現実を結んだからと言われます。多くの利用者は、現実と仮想の区別ができていると思いますが、ポケモンGOはその垣根を取り払ったのかもしれません。更にSNS(インターネット内の社会的情報網)の中でもミクシィやツイッターなど情報網の中だけの世界が次々に生まれ、多くの若者が仮想世界や情報世界を行き来しています。我々と全く異なる世界観を持つ若者が社会の主役になった時、そこには我々に想像がつかない現実世界があるかも知れません。

 

 

「平和をつなぐ」(15)H28.7

  中東などでは連日のようにテロ事件が発生し、フランスやベルギー、トルコでの事件も記憶に新しいところです。しかしバングラデシュで日本人の犠牲者が出たことには衝撃を受けました。日本はテロには無関係と思い込んでいただけかもしれません。以前、政治や経済で世界はつながっていると書きましたが、宗教対立やテロでも世界はつながっていることを改めて実感した方も多いと思
います。
 そのような中、世界で大きな課題となっているのが移民問題です。日本は移民の受け入れに厳しい国です。また移民と言えば、受け入れ側として考えがちです。しかし、日本は中南米やハワイ、東南アジアに多くの移民を送り出した国です。明治以降、すでに日本は移民で世界とつながっていたのです。
 イギリスが国民投票でEU離脱を選択したのも移民問題が大きな要因です。EU内では経済活動の垣根がなく、人の移動も自由ですが、イギリス国民は経済のつながりを望みながら、移民という人のつながりは望まなかったのです。「良いとこ取りは許さない。」そんな周囲の声にイギリスはどうするのか。いずれ日本も同じ課題に直面するかも知れません。
 間もなくリオデジャネイロでのオリンピックが開会します。ブラジルも日本からの移民が多い国です。治安や環境など多くの課題を抱えての大会になると言われますが、世界の平和がスポーツでつながってほしいものです。

 

 

「進化」(14)H28.6

 人工知能「アルファ碁」が、当面無理と言われた最強プロ囲碁棋士を破りました。遂に来たか、ヘボ碁打ちの私にも驚きです。一体科学はどこまで進歩するのか。
 人の始まりは、数百万年前、猿から進化した霊長類に始まり、旧人類へ、そして今の人間の直接の祖先と言われる現生人類が出現したのは25万年程前と言われます。気の遠くなるような年月と世代交代を経て、今の身体的な能力や知力、性格を獲得してきました。多分きっと、今も人は進化しているのでしょう、しかも目に見えない速さで。
 一方、科学技術はどうでしょう。社会の仕組みはどうでしょう。ここ百年ほど加速度的に進化し、変化し続けています。何世代も大きな変化のない時代、経験豊富なお年寄りは知恵袋として尊敬されました。しかし、いつの間にか「それは古い」と言われるようになってしまいました。古いと言った人が古いと言われるまでもわずかです。進化する世の中に、人類の進化は追いつきません。最新の技術に対応し、上手に社会を乗り切ることができている人も、いつか追いつかなくなる日が来ることを覚悟しなければなりません。しかし、そのことに多くの人は気づいていません。否、気づかないふりをして、本当は必死なのです。
 科学や情報、急激な社会の変化とはほぼ無縁、長い経験と古くからの知恵で土に汗を流し、時には友人と趣味に興じる、細々でもたくましい、そんな農村の暮らしがあることが、いつか人にとって救いになるのではないでしょうか。

 

 

「熊本地震被災地に向けて」(13)H28.5

 「枕が変わると眠れない。」よくそんな言葉を聞きます。枕に限らず、人は慣れた環境でリラックスすることで、安心して眠ることができます。熊本県を中心に九州で発生している地震は多くの人命を奪い、今なお多くの皆さんが、避難生活を余儀なくされています。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災地の皆さんにお見舞い申し上げます。まだ予断を許さないということですが、発生時の混乱は徐々に収まり、義援金や支援物資、ボランティア活動と全国に支援の輪が広まっています。そんな中、空き巣被害が多発しているといいます。避難所で不安を抱えながら生活し、これからどうやって家を再建しようと悩んでいる人の財産を奪うというのはどういう心境でしょう。怒りと共に悲しささえも感じます。特殊詐欺も同様です。主にお年寄りが被害にあっていますが、多くは老後に備えて大事にしなければいけない、そんな気持ちに付け込んでの詐欺です。日本人の絆は、単なる哀れみや同情ではありません。困ったときはお互いに助け合うのが当たり前、そんな気持ちだと思います。いくら世相が変わっても日本人の絆と思いやりの心は失ってほしくないものです。何はともあれ、被災地の皆さんが枕を高くして眠ることができる日が、一日も早く来ることを願っています。

 

 

「猫」(12)H28.4 

 今は空前のペットブームですが、ペットと言えば犬と猫が双璧です。我が家は、ずっと猫派です。家の敷地内にキツネがお使いと言われるお稲荷さんがあり、子どものころから犬を飼うことは許されませんでした。「犬は人につき、猫は家につく」と言われますが、最近では犬が家族、猫は同居人と言ったところでしょうか。我が家の猫は、私が出かけるときは黙って見送り、帰ると、どこからか現れて、足元にすり寄ってきます。
 猫の1日を見ていると多くの時間を寝て過ごしています。場所も大体一緒です。冬なら炬燵(こたつ)の中か、座椅子の上、日差しが温かい春になると軒下か、時には屋根の上にいます。顔をくるむように体を丸める仕草は、いかにも幸せそうです。何を考えているのか、いや何も考えていないのか。そんな姿に癒いやされます。
 人は、便利さを求めることが幸福につながると思い、それこそ寝る間も惜しんで働き、生活は日々進歩しています。同時に社会の仕組みも複雑になり、あれも、これもと望みすぎて心を病んでしまうこともあります。
 一方、子どもの頃から何代も猫を飼っていますが、生活パターンは昔も今も同じです。「お前は、気楽で幸せそうだな。」そう問いかけると、「幸せの一番の条件は、多くを望まないことだよ。」と言っているように思います。

 

 

「世界の中の日本」(11)H28.3

 大河ドラマで真田一族が話題となっています。しかし海外では徳川家康が注目されているそうです。それは約260年外国と戦争をしない国の礎を作ったからということです。鎖国というと暗いイメージがありますが、我々の想像以上に活き活きと暮らせた時代だったようです。
 アメリカでは大統領選挙が過熱しています。世界への影響力に陰(かげ)りが見えるとは言え、様々な分野で密接に関わっている日本にとって、対岸の火事ではありません。今回の候補者は、これまでの民主党、共和党という枠をはみ出した印象が大きく、これまでとは何かを変えたいという大きな意志を感じます。
 その他、世界に目を向けると中国経済の減速、産油国では原油安、ヨーロッパではギリシャなど金融・財政不安、中東の紛争長期化、北朝鮮の暴走と不安なことばかりです。また日銀が経済対策を行っても効果が薄いのは、今、日本の株や円を売り買いしているのが、海外の資金が多いためとも言われます。否応(いやおう)なしに日本の政治や経済は世界に飲み込まれています。戦争だけはごめんです
が。
 一時の好景気も地方では恩恵をほとんど受けませんでした。せめて、世界の悪環境に翻弄されず、株や円相場に一喜一憂することがない長閑(のどか)な村であってほしいものです。

 

 

「異常気象」(10)H28..2

 自然の力は大きく、人はその前では無力と言われます。しかし、地球規模での自然現象に人間が影響を与えているものがあります。それは地球温暖化です。
 首都圏や九州地方での大雪が連日報道された1月、木島平では近年にない雪不足に悩んでいました。スキー場ではカヤの平から雪を運び、年末年始は辛うじて一部のリフトを動かしましたが、年明けから役場周辺では積雪ゼロが続きました。春が近づき温かくなって普段降らない所で降る雪をこの地域では「上(かみ)ゆき雪」と言います。立春を過ぎて雪解けが進み、スキー場をはじめ、雪に関わる皆
さんの心配はまだまだ続いています。近年、村では大雨や台風、地震などという大きな災害は幸い起きていませんが、生活に大きな打撃を与えるという意味で雪不足も災害です。
 真冬の上(かみ)ゆき雪が温暖化の影響かどうかは分かりません。昨年からの異常気象は「エルニーニョ」が原因と言われますが、その発生にも人間が関わっているかも知れません。やはり平穏に暮らすには異常より普通が一番です。
 昨年末のCOP21では、世界196の国・地域が気候変動に対する国際的な取り組みに合意し、その中で日本は、二酸化炭素の排出量を2030年までに2013年比26%削減すると約束しました。国の目標と言われると人ごとのように聞こえますが、それは一人ひとりの行動の積み重ねです。普通を取り戻すために、そのことを改めて自覚する必要があります。

 

 

「年末にあたり」(9)H27.12

 今年は、村が誕生して60周年ということで、数々の記念事業を行ってまいりました。例年の行事も村民の皆様のご協力により、記念事業として盛り上げて頂き感謝申し上げます。
 また、今年は調布市との姉妹都市盟約30周年の年でもあり、双方の記念事業に参加してまいりました。調布市からは、来年以降の新たな交流に向けた提案を数多くいただき大変ありがたく感謝しています。
 村では今年11月に「木島平村フィルムコミッション」がスタートしました。これは映画やドラマ、CMなどの撮影場所に木島平を使ってもらうようメディアを誘致するため観光協会内に設けた組織です。すでにケヤキの森公園でCM撮影が行われました。今後、撮影クルーの滞在など直接的な経済効果も期待していますが、村の景観や風土を多くの皆さんに映像を通して見て頂くことで、村に関心を持ち、訪れて頂くきっかけになればと考えています。
 調布市は、映像関係の事業所が多い「映画のまち」です。そんなつながりにも期待しています。村の記念事業は、まだ続きます。来年2月1日は、村の誕生日を祝い、スキー場のリフト1日券を大人60円にします。村民の皆さんもぜひお越しいただき、スキー場で村の誕生日を祝ってください。
 平成27年もいよいよ残りわずかとなりました。この一年を振り返り、新たな一歩を力強く踏み出すために充実した年の瀬にしましょう。

 

 

「山の日」(8)H27.11

 日本一有名な山、高い山といえば富士山です。長野県で一番高い山は奥穂高岳(3190m)、木島平村で一番高い山は、栄村との境にある台倉山(1853m)です。それでは、日本で一番低い山は。世の中には様々なランキングがあります。徳島県徳島市に在る弁天山、その標高は6・1mだそうです。国土地理院の2万5千分の1の地図に山として表記されている山のうち、自然にできた山で一番低いということです。
 長野県は元々の標高が高いので全国的に見ると低い山はありません。しかし、長野県の中で一番低い山はと言うと根塚山(327m)、2番目が平塚山(342m)、3番目が大塚山(364m)です。長野県の中で低い山は、木島平村が独占しています。
 来年から8月11日が山に親しみ、山の恩恵に感謝する「山の日」として「国民の祝日」になります。長野県は条例で、7月の第4日曜日を山の日にします。山国信州では、古くから山に親しんできました。また山に歴史や物語を語り敬ってもきました。木島平村では信州100名山にも数えられる高社山(1351m)をシンボルとし、峰が三度白くなると里に雪が降るなどと親しんでいます。今年も間もなくです。来年以降、全国各地で山に関わる催しが数多くあることでしょう。高い山が注目されると思います。しかし、上ばかり見ず、まずは長野県の低い山ベスト3を制覇してみるという親しみ方はいかがでしょうか。

 

 

「ご飯党」(7)H27.10

 稲作が日本に伝わったのは、約3000年前と言われます。栽培に適した気候風土の中で急速に普及し、米は早くから日本人の主食となりました。米は、でんぷんの塊のように誤解している人もいるようですが、実際は、たんぱく質やビタミン、カルシウム、食物繊維など多くの栄養素を含んでいます。
 ご飯は様々な組み合わせができるため、四季折々の素材を活かしたおかずや調味料が生まれ、結果として、バランスの良い食事となり、米を中心とした文化が生まれました。様々な素材を活かす調理法、健康的な栄養バランス、そして日本人の生活に深く根付いた米文化が評価され、和食はユネスコの無形文化遺産になりました。和食イコール米ではありませんが、米食が中心なことは確かです。 しかし、残念なことに米の消費量は年々減少しています。食生活の多様化によりパンや麺類の消費が増えたからと言われますが、必ずしもそうではないようです。コンビニのおにぎりや弁当販売は増えています。日本人が米を嫌いになったわけではないのです。
 一つの大きな理由として世帯員数の減少があるようです。一人や二人だとご飯を炊いたり、おかずを作ったりするのが面倒とのことです。統計上も世帯員が多い家庭ほどコメの消費量が多くなっています。また、子供がいると弁当を作るのでご飯を炊くそうです。少子化と米の消費量には関係があるのです。
 今、村は稲刈りの真っ盛りです。この広報がお手元に届くころは、新米が味わえるころです。ちょっと一手間掛けるのは日本の文化、そんな「ご飯党」を増やしましょう。

 

 

「福島から」(6)H27.9

  木島平村に、かつて藩庁があったことをご存知でしょうか。それは中村藩(1万石)と言い、1616年から1623年までの僅か7年間ですが、今の中村に藩庁がありました。殿様は岩城氏です。初代当主の岩城貞隆は、今の福島県いわき市にあった岩城藩12万石の藩主でしたが、関ヶ原の戦いで、東軍(徳川家康)に味方しなかったため、領地を没収され浪人となりました。浪人の間も家臣との絆は強く、その後の大阪の陣で活躍し、木島平で再興しました。2代目の吉隆の代には、加増され亀田藩(秋田県)、その後、秋田藩主へと発展します。
 8月30日には「村ぐるみ防災訓練」を行いました。訓練の後に講演を行って頂いたのは福島県で3・11東日本大震災を経験し、地域の復興にボランティアとして活躍された方でした。
 地震と津波、放射能汚染と3つの災害(一つは人災ですが)に遭遇し、その後の復興に地域のリーダーとして活躍されました。話の中で、地震の後、家に帰ると暖房用にと、家の中に置いた灯油のポリタンクが倒れ、こぼれていて、日ごろから、防災の意識を持たなければならないことを痛感したそうです。
 また、「訓練のための訓練であってはならない。しかし、訓練に勝るものなし」とも言われました。やはり訓練は大事です。支援活動・復興活動は、町内会の組織で行ったそうです。今回、村では避難に支援を要する方の避難訓練を重点に行いました。やはり、ここで発揮されるのは、地域の絆です。その後の復興でも地域の絆がいかに大切であるかを福島から教えて頂きました。

 

 

 「お盆」(5)H27.8

 先月、アメリカの無人探査機が冥王星に近づき、鮮明な画像を送ってきました。約50億キロ離れた星に9年半の歳月を掛けて接近し、成し遂げたというのは驚きです。
 この距離は、時速100キロの車だと6千年以上かかります。この冥王星は、プルート、つまり冥界の王という意味で名付けられたそうです。おかしな言い方ですが、冥界とは死者の国であり、冥王星と地球、いわばあの世とこの世が繋がったわけです。
 そして、お盆もあの世とこの世が繋がる時期です。あえて国民の祝日などとして決めなくても、当たり前のように、多くの企業が休業し、多くの人が休暇を取ります。それは、私たちの命をつないでくれた祖先に感謝し、霊を祀まつる時として、古くから日本人の心に刻まれているからです。迎え火を目安に、きゅうり馬で里帰りし、なすの牛で帰って行くと言われる祖先。数日間、私たちは目には見えない祖先と共に暮らします。
 そして、この時期は、多くの犠牲を払った戦争を思い起こさせる時期でもあります。しかし最早、戦後70年が過ぎ、戦争を直に体験した人が少なくなりました。

 帰省に、行楽にと賑やかな時期ではありますが、今の平和な日本に感謝しながら、祖先や戦争で犠牲となった多くの皆さんと心をつなげる、そんなゆったりとした静かな時間も持ちたいものです。

 

 

「空き屋の活用」(4)H27.7

 ヨーロッパには、そもそも中古住宅という概念があまりないそうです。100年、200年、更には数百年前の建物が今も住宅として利用されているため、引っ越し先が中古なのは当たり前だからということです。
 日本でもかつては100年以上住み続けた家がありました。それは、古民家として数は少ないが今も残っています。最近の木造住宅は、2世代か3世代で建て替えとなります。しかし、しっかり管理すればもっと使えるそうです。
 平成25年度の調査では、全国に約820万戸の空き家があったそうです。同じ時期に調査した村内の空き家は、140戸でした。その時点で居住可能と思われる空き家は85戸、しかし、貸してもいい、売ってもいいという空き家はごくわずかでした。
 永く先祖が暮らした土地があり、親が建てた家であり、家族と長年住んだ思い出の多い家である。またいつか住みたい、理由は様々だと思います。財産としてではなく、祖先とのつながりや心の故郷として持ち続けたい、それが日本人の、特に農村に住む者の人情だと思います。
 しかし木造の場合、30年を過ぎると財産としての価値はかなり下がります。遠くから年に何回も雪下ろしなどの管理に来ている家もありますが、誰も住んでいない家は、やはり早く傷みます。すでに居住できなくなり、倒壊などの危険すらある家も多くあります。村でもやむを得ず、昨年「空き家等の適正管理に関する条例」を作りました。使える空き家はもっと有効に活用する必要があります。家はやはり住んでこそ価値があるものではないでしょうか。

 

 

「ブラックボックス」(3)H27.6

  最近あまり使わなくなりましたが、「ブラックボックス」という言葉が以前よく使われました。テレビや計算機など、中の仕組みは分からなくても、外のボタンを操作すれば、期待している結果が得られるというものです。今、周囲に溢れている家電製品は、ほぼブラックボックスです。パソコンやスマートフォンに至っては、中身どころか、操作や機能も理解できないブラックボックス以上のものです。
 さて、梅雨の時期になりました。最近は台風や集中豪雨、寒波などの気象現象の予測の精度が高まり、ある程度の準備と心構えの時間がとれるようになりました。しかし、気象変動の根本的な要因は複雑で分からないそうです。また、近ごろ地震や噴火が頻発しています。日本周辺は、東日本大震災以降、地殻変動が活発化したとの説もありますが、私たちが毎日踏んでいる大地、つまり地球の内部の様子は、推測することしかできません。人間が作用すること
ができるのは、表面のごく一部です。中がどうなっているのかわからない以上、私たちにできることは、いつ現れるか分からない現象に常に備えることだけです。
 いずれにしても、あらゆる災害に対して行政としての準備や対応は勿論ですが、村民の皆さんも一人ひとり、常に準備を整えて頂きたいと思います。言わば、私たちは地球という巨大なブラックボックスの上で暮らしているようなものです。そして、その変動による結果は、大方私たちが望むものではありません。
 「天災は、忘れたころにやってくる」もういいかなと、心構えを緩めたときに災害は起きるそうです。

 

 

「自産自消」 (2)H27.5

  山の木々の緑が濃さを増し、田植えの準備やズッキーニの定植、アスパラガスの収穫と農作業が本格化しました。多くの農家が田畑に出ているこの時期は、農村の最も活気を感じる季節です。
 日本の国土の7割は森林ですが、村は8割が森林です。残りの僅かな面積に家を建て、農業を営んできました。先人たちは、少しでも多く農産物を生産するため、山間の傾斜地にも農地を切り開き、同時に生産性と品質の向上のため努力してきました。しかし今、村の農地の約1割に当たる100ヘクタールの農地が荒廃しています。国では、食料自給率45%(現在39%)を目標に掲げながら、農地の貸借による規模拡大や機械化など担い手への支援を中心に施策を行っています。しかし、機械が大型化すればするほど条件の悪い農地の借り手は少なくなります。農家の6割は65歳以上といわれ、国は、高齢零細農家の役割を過小評価しているようですが、結局条件の悪い農地は高齢零細農家に頼らざるを得ないのが農村の実態です。
 一方、農村に住んでいても農業を知らない、やらない若者が増えているように思います。せっかく農村に住んで、農地があるのにもったいない。
 長野県の平均寿命が長い理由の一つに、年をとっても農業で体を動かしているからだということもあるようです。若いうちから農業の楽しみや生産の喜びを知り、定年後、農業で第2の人生をというのも選択肢の一つに入れて欲しいものです。
 自分で作れるものは、自分で作って、自分で食べる。「地産地消」ならぬ「自産自消」はどうでしょうか。

 

 

「四季」(1)H27.4

 いよいよ平成27年度がスタートしました。今年は、村制60周年の節目の年です。そんな節目の年にふさわしい新たな展開をと考え、6月議会に向けて具体的な事業の組み立てを行っています。
 また、3月から4月は、卒業、入学、就職と人生の大きな節目の季節でもあります。その場面に何度か立ち会わせて頂きました。雪国の農村に住む者にとって春は、最も心が弾む季節ではないでしょうか。昔、都市で生まれ育った友人と、どの季節が一番好きかという話になりました。友人は、都市の冬は風が冷たい、春は埃が舞う、夏は蒸し暑い、だから残暑の後の秋が一番いいといいました。私は、春は雪解けや草木の芽吹き、夏は野菜や木陰、水辺の涼、秋は稲刈りや紅葉、冬は雪景色やスキー、炬燵の温もり、なかなか選べないが、雪国の人間にとって一番嬉しいのは春かなと答えました。四季のとらえ方がずいぶん違うなと感じたことを覚えています。
 今年は、調布市との姉妹都市盟約30周年の年でもあります。新幹線飯山駅開業により調布市とは3時間弱で結ばれました。調布市はまだ昔の風情が残っている街ですが、「新幹線で木島平へ行ってみたい」という声も聞いています。都心からは約2時間で結ばれます。
 わずかな時間で、全く違う四季を感じることができる世界と結ばれる。そこに、農村が都市に望むもの、都市が農村に望むものの接点があるように思います。

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